窃盗団が改心し盗品返却、謝罪の手紙も 米
(CNN) 米カリフォルニア州サンバーナーディーノで10日までに、非営利組織(NPO)の事務所を襲い複数のコンピューターを持ち去った窃盗団が犯行から数時間後に、謝罪を述べたメモ用紙と共に全ての盗品を事務所に戻す事件があった。
襲った事務所がレイプなど性的暴行事件の被害者救援に当たるNPOだったことを犯行後に知り、悔やんだ末に返却したともみられる。謝罪のメモには「忍び込んだ場所を知らなかった。全てを返す。人々の支援を続けることを期待する。神のご加護を」との趣旨の言葉が残されていた。
事件は現地時間の先月31日午後10時半ごろに発生。同事務所の幹部は、契約する警備会社から警報が作動し、警官が駆け付けているとの電話を受け、被害を知った。窃盗団は屋根を通じて事務所に侵入、コンピュター計7台を盗んでいた。被害額は5000ドル(約48万円)相当。
業務の遂行に欠かせないコンピューターはもう戻らないと覚悟した事務所幹部はサンバーナーディーノ警察の現場検証などに立ち会った後、睡眠を取るため帰宅。しかし、数時間後に警察から事務所で不審な動きが見られるとの電話連絡を受け、急行したところ、盗まれていた全ての品が戻され、メモがコンピューターに挟み込まれているのを発見していた。
メモを読んだ幹部は窃盗団は事務所に押し込んで気持ちが変わったに違いないとし、「同情したかもしれない」と推測した。サンバーナーディーノ警察で20年以上働く捜査員は、「重罪を犯した人間が罪悪感に駆られ、メモを残して盗品を返す事件に遭遇したのは初めて」と明かした。
謝罪のメモは額縁に入れNPO事務所内に飾る予定。メモが有名になったことで事務所の活動内容もより広く知られるようになり、相談を望む性的暴力の被害者からの問い合わせなどが増えたという。
事務所への献金も目立ち始めたため、インターネット上で専用サイトも創設した。