殺人の8割が顔見知りの犯行、暴力犯罪は減少基調 米統計
(CNN) 米司法省の統計当局は25日までに、1993年から2008年までの間に起きた殺人事件で、10件のうち約8件が被害者の顔見知りの犯行だったとの報告書を発表した。
非暴力的な犯罪では3件のうち約2件が被害者の知人の犯行だった。報告書は2010年までを対象にまとめられたもので、11年と12年のデータは盛り込まれていない。
一方、米連邦捜査局(FBI)によると、米国内で発生した暴力犯罪は1992年と比べ、約半分の水準だった。1992年と2011年との間の殺人事件件数を見ると、人口増加にもかかわらず年間当たり2万3760件から1万4612件に減少していた。
レイプや強盗、暴行、家宅侵入などは2012年に小幅に増加したものの、長期的には減少基調を示した。
犯罪学者はこれらの犯罪事件の低下について、1990年代に多数の殺人事件の原因となったコカイン密売市場での暴力事件の減少、刑務所などの受刑者の増加、米国国民の高齢化や捜査技術の向上が要因と指摘した。
ただ、犯罪件数に対する米国民の見方は実情を反映しておらず、世論調査機関ピュー・リサーチセンターは今年5月、米国民56%は銃犯罪は20年前に比べ増加したと判断する調査結果を発表していた。銃犯罪は実際には、1990年代から激減していた。
また、世論調査企業ギャラップ社は、米国民の68%は犯罪発生率は悪化していると信じているが、実際は全米で減少しているとの調査結果を公表している。