キッシンジャー元米国務長官、シリア軍事介入を支持
(CNN) ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官は9日、ニューヨークでCNNのクリスティアン・アマンプールのインタビューに応じ、オバマ大統領が準備を進めるシリアへの限定的な軍事介入を支持すると表明した。「我々は世界の警察官にはなれない」「だが世界の最後の手段になることはできる」と語っている。
キッシンジャー氏はインタビューの中で、「私は米国の軍事介入にはずっと反対の立場であり、公の場でもそう公言してきた」「しかし今回使われたのは大量破壊兵器であり、影響はシリアにとどまらない。その理由から、そして大量破壊兵器使用を罰するという限られた目的のため、私はオバマ大統領の要請を支持する」と述べた。
議会に対しては、武力行使を承認するようできる限りの働きかけを行ったと述べ、「これが国連での公式な投票であればはるかにその方がよかった」「しかし最後の手段として、そしてその問題が十分に重要なものであるならば、米国は全ての人のために行動しなければならないこともある」と力説する。
ただ、オバマ大統領が議会に承認を求めたことについては「賢明ではなかったと思う」との見方を示し、「大統領が議会の承認なしに行動する権限を持たないかのような印象を与えてしまった」と批判した。
シリアの友好国ロシアとの関係については、冷戦時代に国務長官を務めた経験から、「最終的に、我々とロシアは共通の目標を確立できる。我々が対立しているシリアなどの問題では、双方が同じ目標を持つべきだと信じる」と述べ、「急進的なアラブ世界は我が国に到達する前に、ロシアに広がっていく」と分析した。