米、シリア反体制派への武器供給開始 小火器や対戦車兵器
(CNN) 米政府当局者は11日、シリア情勢に関連し、同国のアサド政権軍と戦う反体制派への武器供給をここ2週間内に開始したことを明らかにした。
提供されている武器は、小火器や対戦車用の兵器、弾薬類など。これら武器は米国製ではなく、資金供与して他国製を確保したとしている。これらの兵器供与は米中央情報局(CIA)が行っている。
武器を手渡した相手の詳細は伝えられていないが、反体制派の代表組織「国民連合」やシリア軍の離反者で組織する反体制派武装組織「自由シリア軍」は米国から武器の提供を受けたことを否定した。
米政府はシリア内戦で、過激派に流出する事態を恐れ、反体制派への武器支援には消極的だった。しかし、アサド政権軍による化学兵器使用疑惑が発覚した後の今年6月、反体制派への直接の武器支援に転じる意向を表明。ただ、供与する武器は殺傷能力のない種類としていた。
反体制派への武器供給の開始は米紙ワシントン・ポストが最初に報じていた。
シリア情勢をめぐっては軍事介入に傾斜していたオバマ米政権が、ロシアによるシリアの化学兵器を国際監視下で管理するなどの提案に同意し、外交手段で事態打開を図る姿勢に転じた。ただ、アサド政権による時間稼ぎなどを阻止するため、武力行使の準備は続行する方針を示している。