パロディー動画を投稿した米国人逮捕
(CNN) アラブ首長国連邦に住むアメリカ人の若者が、ネットに投稿したパロディー動画が原因で逮捕され、4月から収監されていることが家族の話から明らかになった。
アメリカ人のシェザンヌ・カシムさん(29)は昨年、ヒップポップ文化に影響されたドバイの10代の若者グループをからかう内容の19分間の短い動画を友人らと制作し、ネットに投稿した。
1990年代から、強気な発言で知られる郊外に住む10代の若者グループは「サトワG」と呼ばれるようになった。カシムさんのビデオは、このサトワGのメンバーが訓練を受けているサトワ郊外の「戦闘訓練学校」の様子を描いたものだ。ただ戦闘訓練と言っても、的に向かってサンダルを投げたり、装身具を鞭(むち)のように使ったり、ピンチの時に電話で救援を呼ぶといったたわいもない内容だ。
カシムさんの家族によると、カシムさんは国家の安全を脅かした罪に問われているが、カシムさんのビデオの何が国の安全を脅かしたのかについて説明はないという。
カシムさんはミネソタ州ウッドベリーの出身で、大学卒業後にドバイに渡った。そして2012年に友人らとこのビデオを制作し、ネットに投稿。翌2013年4月に逮捕された。カシムさんは体重が激減したものの、体調は悪くないという。
カシムさんの家族によると、カシムさんと8人の友人は社会秩序を脅かしたサイバー犯罪法違反の罪に問われているが、この法律は問題のビデオが発表された後に可決されたという。カシムさんの弁護団はこれまでに2度カシムさんの保釈を求めたが、いずれも却下された。