米国人の引っ越し先、トップはオレゴン州
ニューヨーク(CNNMoney) 米国内で昨年、州を越えて引っ越した人の出入りをまとめた統計で、転入者の割合が最も高かったのは北西部のオレゴン州という結果が出た。産業の発展や生活費の安さが要因とみられる。
米引っ越しサービス大手ユナイテッド・バン・ラインズが1977年から毎年まとめている統計によると、昨年1年間に州を越えた引っ越し全体の中で転入件数が占めた割合は、オレゴンが61%で全米トップ。一昨年まで5年連続で1位だった首都ワシントンは、サウスダコタ州と同率の4位にとどまった。
転入件数の割合は2位がサウスカロライナ州(60%)、3位がノースカロライナ州(58%)だった。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校の経済学者、マイケル・ストール氏によると、南東部や西部の各州では企業誘致の奨励策や産業発展、比較的安い生活費を背景に雇用と転入者が増加している。
特にオレゴンを含む太平洋岸北西部は公共交通機関が発達していて緑が多く、地元の芸術文化や娯楽が充実しているといった魅力が、専門職の若者や退職者層を引きつけているという。
オレゴンは温暖な気候や活動的なライフスタイルがカリフォルニア州と共通しているが、住宅ははるかに安い。
一戸建て住宅価格の中央値はオレゴン州ポートランド市内で28万5000ドル(約3000万円)とされるのに対し、カリフォルニア州のサンフランシスコは88万1000ドル、ロサンゼルスは48万1000ドルに上る。
反対に転出件数をみると、生活費の高い州で割合が大きくなっていて、ニュージャージー州が64%で1位、イリノイ州とニューヨーク州がともに61%で同率2位だった。