米国の全国立公園で無人機使用を禁止
ワシントン(CNN) 米国立公園局は20日、同国で普及し続ける無人機について全ての国立公園での使用を禁じるとの方針を明らかにした。無人機の安全性への懸念や騒音問題などが背景にある。
米国各地にある国立公園の総面積は陸地と海上を含め約33万9940平方キロに相当。
同局のジョナサン・ジャービス局長はただ、今回打ち出した禁止措置は最も適切な対応策が見い出されるまでの臨時の処置との考えも示した。無人機利用については米連邦航空局(FAA)も法的な規制策が整うまで、商業目的で無人機を野外で使用することを禁じている。
しかし、実際は愛好者が比較的自由に公共の場所の上空で無人機を飛ばしているのが現状。これらの事例では、高度約122メートル以下で、人口密集地や商業航空機の飛来コースから離れている場所が多い。
国立公園局によると、無人機問題では各国立公園がこれまで個別に禁止措置などを打ち出す対策を講じてきた。
米中部サウスダコタ州にある「マウント・ラッシュモア・ナショナル・メモリアル」では昨年9月、入園客の上空を無人機が飛び、公園管理要員が安全対策を理由にこれを没収する例が発生。アリゾナ州グランド・キャニオンでは今年4月、静かに夕日を楽しむ訪問客が騒々しい音を出して飛ぶ無人機に興趣をそがれる事例も起きた。
カリフォルニア州にあるヨセミテ国立公園当局は最近、一般の来園者らがビデオ撮影などのために無人機を使うことを禁じる方針を発表。公園内で訪問客による無人機利用が過去数年増え、絶壁を登るクライマー撮影や、樹木や公園上空の撮影などに使われているとしていた。