「エイズ治癒」宣言の子ども 再びHIV検出
(CNN) HIV(エイズウイルス)に母子感染して誕生の直後から治療を受け、「機能的な治癒」を宣言されていた子どもから、再びHIVが検出された。治療に当たっているミシシッピ大学の医師団が明らかにした。
この乳児は生まれる直前にHIVの陽性反応が確認され、誕生の翌日から3種類の抗ウイルス薬を集中投与する治療を受けた。約1年半にわたって投与を続けた後、母親が何らかの理由で投薬を打ち切っていた。
しかし誕生から約3年たった時点でも血中にHIVの痕跡がみられず、研究チームは2013年3月、エイズが「機能的に治癒」した初のケースとして発表していた。
機能的な治癒とは、ウイルスが通常の血液検査では検出されないレベルに抑制され、生涯にわたって治療を受け続ける必要がなくなった状態を指す。
しかし今月行った定期検診の結果、4歳になったこの子どもからHIVが検出された。T細胞も減少し、免疫機能の低下がうかがわれるという。
このため医師団は抗レトロウイルス薬による治療を再開した。この治療はエイズ治療法が見つからない限り、生涯続ける必要がある。
この症例について米国立アレルギー感染症研究所の専門家は「極めて残念で、HIV感染と、ウイルスが体内に潜む場所について、まだ学ぶべきことがたくさんあると再認識させられた」と指摘している。