原爆投下「エノラ・ゲイ」、最後の乗員死去

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広島に原子爆弾を投下した「エノラ・ゲイ」

広島に原子爆弾を投下した「エノラ・ゲイ」

(CNN) 1945年8月6日、広島に原子爆弾を投下した米軍のB29爆撃機「エノラ・ゲイ」に航空士として乗務していたセオドア・バンカークさんが28日、米ジョージア州の高齢者施設で死去した。93歳だった。親族が明らかにした。

原爆は1発の投下で14万人を殺害し、第2次世界大戦を終結に導き、世界を核の時代に突入させた。

これで核兵器使用の体験を語り継いできたエノラ・ゲイの乗員に生存者はいなくなった。

バンカークさんはかつてCNNのインタビューで、「リトルボーイ」と呼んでいた原爆を投下した時のことを振り返り、「明るい閃光(せんこう)と飛行機以外は何も見えなかった」「市の上空には白い雲が立ち込め、雲の下の街は全体が煙とちりに覆われて、沸騰する油の鍋のように見えた」と語っていた。

投下してまず浮かんだのは「うまくいってよかった」という思いと、「これで戦争は終わりだ」という感慨だったという。

3日後には長崎に原爆が投下された。日本は間もなく降伏して太平洋戦争は終わり、米軍の本土侵攻は免れた。

息子のトム・バンカークさんは29日、CNNに対し、広島への原爆投下について父のバンカークさんに「後悔の念はなかった」と語った。

退役後は大学に進学して化学工学を専攻し、1985年に退職するまでデュポンに勤めた。私生活では4人の子どもと7人の孫、3人のひ孫に恵まれた。

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