白人と黒人の資産額格差、25年間で3倍に拡大 米
ニューヨーク(CNNMoney) 米ブランダイス大学は24日までに、白人とアフリカ系(黒人)国民の間の資産額の格差は過去25年で約3倍に拡大したとの調査結果を発表した。
米ミズーリ州セントルイス近郊のファーガソンでは今月、白人警官による黒人少年射殺事件が起き、抗議デモや警官隊との衝突、暴動などが多発した。この騒乱の背景には現地での白人と黒人の間の大きな貧富の差が一因との見方が多い。
米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、白人世帯の資産額の中間値は2011年の時点で、9万1405ドル。黒人は6446ドルだった。自宅の所持者が黒人に極めて少ないことが大きな要因となっている。
米国民の資産の中で持ち家所有は大きな位置を占めている。米国勢調査局によると、持ち家がある白人の比率は今年の第2四半期(4~6月)の時点で72.9%。黒人は43.5%だった。
黒人の所得額は白人より総じて低く、蓄財が難しい環境にも置かれている。米調査企業Sentier Researchによると、黒人世帯の所得額の中間値は今年6月時点で3万5416ドル。白人は5万9754ドルだった。
黒人は白人に比べ、高い失業率にも襲われている。労働省の統計によると、白人の失業率は今年7月に5.3%だったが、黒人は11.4%。この大きな失業率の差は少なくともここ数年続いているという。
低所得や高失業率など黒人が直面する厳しい労働環境は高い貧困率にもつながっている。国勢調査局によると、黒人の貧困率は2012年で27.2%、白人は9.7%だった。黒人4人のうちの1人以上が貧困に陥り、白人は10人に1人以下の計算となった。