米でエボラ発症の男性、最初は渡航歴見過ごされ帰宅
(CNN) 米国内で初のエボラ出血熱感染者が見つかった問題で、患者の男性が最初に米テキサス州ダラスの病院を受診した時点でリベリアから来たと告げたにもかかわらず、病院側は男性を入院させないまま帰宅させていたことが2日までに分かった。米国立アレルギー感染症研究所が明らかにした。
同研究所によると、男性の渡航歴が記録されていたにもかかわらず、その事実が医師に伝わらないまま見過ごされてしまったという。
同病院も30日、渡航歴が完全には医師に伝わっていなかったことを認めた。男性は9月25日に急患としてこの病院を受診。低い熱と腹痛などの症状があったものの、「入院が必要な容体ではなく、エボラ特有の症状も出ていなかった」という。男性は血液検査は受けたもののエボラの検査は受けず、医師が抗生剤を処方して帰宅させた。
その3日後、男性はこの病院に運ばれ、エボラ感染の疑いがあると診断されて隔離された。
米疾病対策センター(CDC)は全医療機関に対し、エボラと一致する症状がある患者には渡航歴を尋ねるよう促した。
知人によると、患者は42歳のリベリア国籍の男性で、家族や友人を訪ねるために、今回初めて渡米した。CDCによれば現在も容体は重く、集中治療室で治療を受けている。