NYでエボラ発症の医師が退院 自身の活動「誇りに思う」
(CNN) エボラ出血熱に感染して米ニューヨーク市内の病院に隔離されていたクレイグ・スペンサー医師(33)が無事回復して退院し、病院で記者会見した。
スペンサー医師は国境なき医師団のメンバーとして西アフリカのギニアで患者の治療に当たっていた。青いセーター姿で現れたスペンサー医師は、ギニアでの活動を「誇りに思う」と述べ、同国ではまだ大勢の人たちがエボラに感染して死亡していると指摘。助けられなかった子どもたちのことを振り返り、「私は子どもたちを抱き締めて泣いた」と語った。
家族が引き裂かれ、地域社会が崩壊する様子も目の当たりにしたという。一方で、完治した患者の家族が自宅に招待してくれた時は「大きな喜び」を感じたと振り返る。
自身が入院している時には、ギニアの友人たちが何かできることはないかと電話をくれたと明かし、「彼らこそ、語られることのない真の英雄だ」と話した。
記者会見にはニューヨーク市のデブラシオ市長夫妻も同席し、スペンサー医師とハグを交わした。
世界保健機関(WHO)によると、これまでに感染が確認された患者は8カ国で1万3268人、死者は4960人に上る。アフリカでの致死率は約50%。米国で治療を受けた患者は9人のうち8人が完治している。
スペンサー医師は記者会見後、ニューヨーク市内のアパートに帰宅した。