米政府、ウクライナへの武器供与を検討
(CNN) 米政府はウクライナ問題に対するこれまでの政策を転換し、東部で親ロシア派との戦闘を続けるウクライナ政府に防衛のための武器を供与することを検討している。
供与を検討しているのは対戦車、対空、対迫撃システムなど、殺傷能力をもった防衛用の武器。米紙ニューヨーク・タイムズによると、北大西洋条約機構(NATO)軍のフィル・ブリードラブ司令官が供与を支持しているほか、ケリー米国務長官、デンプシー統合参謀本部議長、ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)も検討に前向きな姿勢を示しているという。
米政府高官がCNNに語ったところでは、米軍の指導部は武器供与に賛成しているが、米政権はまだ、供与した場合のロシア政府の反応を見極めようとしている段階だという。米政府はロシアがウクライナ東部の親ロシア派を支援しているとの見方を変えていない。
米政府やNATOの元高官でつくるグループは2日に発表した報告書で、オバマ政権に対しウクライナ支援を強化するよう促し、ウクライナ侵攻を阻止できなければロシアを増長させることになると警告した。
一方、ローズ大統領副補佐官(国家安全保障担当)は同日、殺傷力のある武器を供与することが情勢悪化を食い止める解決策にはならないと言及。平和的な解決策を探るために相手を交渉の場へと引き出す圧力をかけることが重要だとの認識を示した。