米海軍のヒト型消防士ロボ、船上火災の消火に活躍期待
(CNN) 火災を起こした軍艦内で消火活動をしたり被害状況を調べたりできる2足歩行のヒト型ロボットを米海軍の研究所が開発し、このほど試作品を披露した。
「船上自動消防ロボット(SAFFiR)」は海軍研究事務所(ONR)の助成でバージニア工科大学の研究チームが開発し、現役を引退した米軍艦「シャドウェル」を使って昨年、試作品の実験が行われた。
ヒト型にしたのは艦内の狭い通路やはしご、昇降口をくぐり抜けるためにはこの形が最善と判断したため。ONRの研究者トーマス・マッケンナ氏は、「ヒト型ロボットなら人間の消防士のための防護服やバックパック式火炎抑制剤、センサー、ホースといった装備も使える」と説明。「長期的な目標は、水兵が直接炎にさらされる危険を防ぐことにある」と話す。
SAFFiRはカメラ、ガス探知機、煙の中をくぐり抜けて進むためのステレオ赤外線カメラを装備し、消火装置を操作したり、消火弾を投げたりできるほか、自力で消防用ホースを扱うこともできるという。
消火活動を行うためのバッテリー持続時間は30分。全方向に歩いたり、荒れる海上でバランスを保ったり、障害物をよけたりもできる。
いずれは消火活動だけでなく、船上測定や腐敗箇所の捜索といった人間では難しい作業や時間のかかる船上作業もSAFFiRに担わせることを目指している。