日系人収容者の作品オークション、抗議受け出品中止 米
(CNN) 第2次世界大戦中に米国の日系人収容所で制作された工芸品や芸術作品のオークションが、日系米国人の反対運動を受けて中止になった。
日系人収容者が制作した作品は、ニュージャージー州で17日に開かれるオークションに出品される予定だった。これに対して俳優のジョージ・タケイさんが署名集めサイトやフェイスブックで草の根の反対運動を展開。「日系米国人の歴史は売り物ではない」と訴えていた。タケイさんは家族と共に収容所で過ごした経験を持つ。
抗議を受けてオークション主催者は、「人の人に対する非人道行為の遺産である歴史品目の売買については本質的な論議が必要」と判断、出品予定だった24品目の出品を見送ると表明した。
第2次世界大戦中の日系人収容所には、10カ所に約11万7000人が収容された。政府はこの施設を移住センターと呼び、収容経験者や子孫は強制収容所と呼ぶ。収容所行きを命じられた人の3分の2は米国生まれで米国籍を持っていた。
CNN系列局のKGOによれば、作品は収容所に反対していた歴史家のアレン・イートン氏に寄贈され、同氏の遺産から受け継がれたという。
オークション関係者は、歴史的意味を尊重できる組織などに作品が渡ることを望むと述べ、「博物館か財団、あるいは日系人社会によって教育や展示、研究に役立ててもらいたい」と話している。