空港の保安検査、禁止品目の95%を見逃し 米
ワシントン(CNN) 米国土安全保障省が米国内数十カ所の空港で実施した覆面調査で、保安検査を担う米運輸保安庁(TSA)の職員が95%の確率で武器や爆弾を発見できていない実態が判明した。
当局者によると、同省監察室の調査官が乗客を装うなどして禁止品目を持ち込めるかどうか試した。その結果、70回のうち67回は保安検査を通過できてしまったという。
同省はこの夏をめどに今回の調査に関する報告書をまとめる予定。広報はこの調査結果について、「決して良い数字とは言えないが、空の安全を継続的に進化させるための要素として欠かせない」とコメント。ジョンソン長官はTSAに対し、今回の調査で明らかになった問題を是正するための対策を指示しており、現在一部の対策が講じられていると説明した。
さらに、空の安全は何重もの対策に守られていると強調し、例として乗客名簿と監視対象者リストとの照合、保安検査、探知犬を使った無作為の検査、操縦室のドアの安全対策強化、航空警察官、操縦士の武装、公衆による監視などを挙げている。
一方、米下院監視・政府改革委員会のジェイソン・チャフェッツ委員長は、「TSAは6年以上にわたって膨大な予算を費やしてきたにもかかわらず、その成果がほとんど表れていない」と批判、禁止品目を発見できない確率は2007年よりも高くなっていると指摘した。