米医薬品当局、「女性用バイアグラ」を承認
(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は18日、女性用の性機能不全治療薬「フリバンセリン」(商品名Addyi)を承認した。閉経前の性欲減退に効果があるとされ、「女性用バイアグラ」とも呼ばれている。
製造元の米スプラウト・ファーマシューティカルズによると、臨床試験では37%の性欲向上効果がみられたという。
2002年に実施された調査によると、成人女性の約3分の1は性的欲求低下障害(HSDD)を経験している可能性がある。
ただ専門家によると、その背景には複雑な要因が絡んでいることが多い。臨床心理学者のジュディ・クリアンスキー氏は、女性が性欲を持つ条件について「自分の体や自分自身に対する肯定的な気持ちや、相手から愛されているという実感が必要。男性が薬を飲むのとは違う」と指摘する。
フリバンセリンは女性用バイアグラと呼ばれるが、バイアグラが男性の身体機能に直接作用するのに対し、抗うつ剤などと同様、脳の中枢神経系に働きかける点が大きく異なる。バイアグラは性行為の前に必要に応じて飲む薬だが、フリバンセリンは毎晩1回ずつ服用する。
フリバンセリンは過去2回の申請が副作用の恐れなどを理由に却下され、今年6月に承認勧告が出ていた。