銃を持った男が教会に、牧師が祈りと抱擁で受け入れ 米
新年を迎えるまであと20分。ライト牧師は男を最前列に座らせてその日の説教を終えた。「彼は立ち上がって祭壇に歩み寄り、自分の生涯をキリストにささげた。私は演壇から降りて彼のために祈り、私たちは抱き合った。父と息子の抱擁のようだった」(ライト牧師)
ホールでは警官が待機していた。牧師が男にそのことをそっと告げると、男は信者たちに話をさせてほしいと頼み、自分は恐ろしいことをするつもりでここに来たと打ち明けて謝罪したという。
男は20代後半から30代くらい。本人の話では刑務所を出所したばかりで新しい仕事に就き、結婚もして、新しい人生のスタートを切ったところだったという。しかし牧師の目には、ひどく取り乱した様子に見えた。
男は警察に連行され、病院で精神鑑定を受けたようだという。フェイエットビル警察の広報は、男が訴追されるかどうかは不明だとしながらも、「人を脅したり、犯罪を犯したりはしていないと思われる」と話している。
今回の出来事について教会助手のシルベスター・ラビングさんは地元紙の取材に対し、「あの晩、神のご意思が確かにあの場に存在した」と表現した。信者のアリソン・ウッズさんも「あの時はまるで牧師が聖書の一説を朗読しているようで、現実とは思えなかった。翌日になって、ひとつ間違えばどれほど恐ろしいことになっていたかと思い至った」と話している。