今も眠る米軍の不発弾、オバマ氏が除去支援表明へ ラオス
ラオス・ビエンチャン(CNN) 米国が関係改善を模索しているラオスに24日、米国務省のケリー長官が到着した。オバマ政権はベトナム戦争中に米軍がラオスに大量投下した不発弾を処理するため、大規模な支援策を打ち出す見通しだ。
2月には米カリフォルニア州サニーランドでオバマ米大統領と東南アジア10カ国の首脳会談が予定され、この秋にはオバマ大統領がラオスを訪問する。側近によると、オバマ大統領はこの場で不発弾処理についての発表を行う見通し。
ベトナム戦争以来、長年にわたって対立を続けてきたラオスと米国との関係はオバマ政権下で改善が進み、3年前にはケリー長官の前任のクリントン氏が、米国務長官として1955年以来となるラオス訪問を果たした。
米軍は1964~73年に、200万トン以上の爆弾をラオスに投下した。このうち推定30%が不発弾となり、現在に至るまで数え切れないほどの死傷者を出している。非営利組織(NPO)「レガシーズ・オブ・ウォー」によれば、年間の死者数は約50人に上るという。
2012年5月には9~10歳の子ども3人がタケノコ掘りをしていたところ、不発弾が爆発して1人が重傷を負い、1人が死亡した。
ラオスの森林や水田や村落に残されたクラスター爆弾の不発弾は推定7500万発。クラスター爆弾が破裂すると、周辺の広い地域に小型爆弾数百発が拡散する。そうした爆弾によってラオス国内で命を落とした人は推定2万人以上、重い障害を負った人は1万2000人を超えている。