米病院、男性性器の移植手術実施 国内で初
(CNN) 米マサチューセッツ総合病院は16日、米国で初めて男性の性器移植手術を実施したと発表した。
患者は同州在住のトーマス・マニングさん(64)。2012年に陰茎がんと診断され、性器を切除されていた。今月移植手術を受け、術後の経過は順調だという。
手術は医師や看護師50人あまりのチームが15時間かけて実施し、ドナーから提供された性器と患者の性器の複雑に入り組んだ血管や神経をつなぎ合わせた。
主治医によると、今回の手術では主に、性器を再建して自然な外観を形成し、排尿機能や性的機能を回復させることを目指した。ただ、生殖機能については子どもが生まれた場合に誰が父親かを巡って倫理的問題が生じる恐れがあるとして、目標から除外した。
現時点で出血や拒絶反応の兆候はなく、機能回復が見込めると医師団は予想する。あと3~4日で退院できる見通しだという。
マニングさんは病院を通じ、「今日から私の希望に満ちた新しい1章が始まる。性器を負傷したほかの人たちにとっての希望にもなる」との談話を発表した。
医師団では男性性器移植について、いずれ性別再建手術にも応用できると見込んでいる。
男性性器移植は南アフリカの病院が2014年12月、21歳の男性患者に初めて実施。排尿機能と生殖機能の回復を確認した3カ月後に、成功したと発表した。15年6月には、この男性と恋人との間に子どもができたという。