公共プールの8割に衛生基準違反、即時営業停止も 米CDC
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は19日に発表した報告書で、衛生基準や安全基準違反で営業停止になる公共プールやスパなどが、全米で年間数千施設に上っていることを明らかにした。プールに飛び込む前にまず、そのプールが最後に検査を受けたのがいつだったのかチェックした方がいいと勧告している。
検査は公共プールなどの遊泳施設や温泉、スパなどを対象に実施。テキサス、ニューヨーク、フロリダ、アリゾナ、カリフォルニアの各州の約4万8000カ所にある8万4000あまりの施設を検査した結果、80%の施設から1項目以上の基準違反が見つかった。8施設中1施設は、深刻な違反があったとして直ちに営業停止となった。
特に子ども用プールは違反率が高く、5施設のうち1施設の割合で営業停止処分を受けた。特に水素イオン指数(pH)違反、安全装備の問題、消毒剤の濃度の問題を指摘された施設が多数を占めた。
学会誌に4月に発表された研究によれば、プールの消毒に使われる塩素などの化学物質が人の汗や尿や化粧品などと混ざると、消毒副生成物と呼ばれる物質が形成されることが分かっている。
研究チームでは100種類以上の消毒副生成物を発見。実験の結果、こうした副生成物によって細胞が傷つくことが分かった。この現象がぜんそくや膀胱(ぼうこう)がんなどに結びつく可能性もある。
スパやプールの洗浄や水入れ替えの頻度を高めることや、事前のシャワーを徹底させることにより、こうした副生成物の発生は抑えられると研究チームは指摘している。