米次期政権、移民政策で9・11後の登録制度参考か 関係者
ワシントン(CNN) ドナルド・トランプ次期米大統領の政権移行チームでは、新たな移民政策の策定が始まっている。関係者によれば、テロリストの活動が活発な高リスク国からの渡航者を追跡調査する制度が検討されているという。
これは9・11同時多発テロの後に始まり、5年前に終了した「国家安全保障出入国登録システム(NSEERS)」と類似したもので、イラクやシリア、アフガニスタンといったテロリストが活動している国々からの移民を全面禁止するのではなく、そうした国々からの渡航者に対して、身元確認の段階を増やすというもの。長時間の面接や指紋の押捺、場合によっては毎月のチェックも含まれる。
この関係者はどの国が、もしくは何カ国が「高リスク国」とされるかは明らかにしなかった。イスラム教徒人口が多い国すべてが対象となるわけではないという。また、こうした国々からの移民の全面禁止については「それに向けた準備もしているが実現の可能性は低い。あらゆる選択肢が検討されている」と述べた。
一部の報道では、トランプ陣営で移民政策の立案にあたっているのはNSEERSの立案者の1人で、この人物は次期司法長官とも目されているという。
それはカンザス州のクリス・カバ州務長官で、人種主義や白人ナショナリストらとの関係を批判されている人物だ。
カバ氏は米国内の複数の州において厳しい移民関連法を成立させた立役者で、アリゾナ州で2010年に可決されて話題となった移民規制法の立案に深く関わったことでも知られる。この法律は米最高裁によって一部が無効と判断されている。