トランスジェンダー殺害で初の訴追 米国
(CNN) 米司法省は21日、女性の恋人が心と体の性が一致しないトランスジェンダーであることを理由に殺害した男性被告(29)が連邦法のヘイトクラム(憎悪犯罪)違反の罪を認めたと発表した。
同省の公民権担当部門の声明によると、トランスジェンダー関連の犯行で訴追されたのは米国で初めて。連邦法は人種、宗教、性別や性的指向などに根差す犯行行為を刑事罰に処している。
米司法省のリンチ長官は今回の容疑者の供述を受け、誰もが自らの存在理由が原因で恐れを抱く中で生き続けるべきではないことを示す反ヘイトクライムの理念の正当性を示したと強調した。
司法省などによると、容疑者はギャング団の一員で、トランスジェンダーの女性と付き合っていることを秘密にしていた。しかし、2014年に女性との連絡が15年5月までに途絶えことなどから殺害を決意したという。
この後、当時17歳の少女を車内に誘い込み、刃物で刺していた。少女は脱走を試みたが、被告が追い詰め、最後はハンマーで致命傷を与えていたという。
被告の友人は付き合い相手がトランスジェンダーと仲間内に知れ渡った場合、報復行為を受けるとの懸念が犯行の動機と説明。被告もこの理由を有罪を認める供述の中で認めていという。
被告は裁判所審理で少女がトランスジェンダーでなかったのなら殺害しなかったと白状している。