抗マラリア薬、自己判断で服用の米男性が死亡 妻も重体
(CNN) 新型コロナウイルス感染の治療効果が期待され、トランプ米大統領もツイッターで言及していた抗マラリア薬「クロロキン」を、自己判断で服用したアリゾナ州フェニックス在住の男性が死亡し、妻も重体に陥っていることが分かった。
同州を拠点とした病院グループ、バナーヘルスが明らかにした。
夫婦はともに60代で、新型ウイルス感染の治療を試みたとみられる。服用後30分以内に容体が悪化し、近くにある同グループの病院に収容された。2人がどうやってクロロキンを入手し、どの病院で治療を受けたかは公表されていない。
クロロキンが新型ウイルス感染の治療に有効かもしれないとの可能性はかねて指摘されてきた。トランプ氏は有望な治療薬の候補として名指しし、21日のツイートではクロロキンと似た化学構造を持つ抗マラリア薬、ヒドロキシクロロキンと抗生物質アジスロマイシンを併用すれば劇的な効果が期待できるとも書いていた。
ただし専門家によれば、今のところクロロキンの効果を裏付ける確固とした証拠はなく、食品医薬品局(FDA)もコロナウイルス治療薬としては承認していない。
ナイジェリアではクロロキンを服用した3人が中毒症状を起こしたとの報告もある。
バナーヘルスの専門家は医療現場に向けて、入院患者以外にクロロキンを処方するべきではないと警告。自己流の危険な服薬により、救急病院に患者が殺到する事態は何としても避けたいと訴えた。