結婚を強制される少女、世界に5100万人 写真家が悪習廃絶訴え
(CNN) できることなら学校を出て先生になりたかった――。アフガニスタンの11歳の花嫁は40歳男性との結婚を控え、写真家にそう語った。得意な学科は地元の言葉のダリ語。結婚のために退学しなければならないと、悲しそうな表情を見せた。
同じような境遇の少女は世界各国で5100万人に上る。写真家のステファニー・シンクレア氏は各地を旅してそうした子どもたちの姿をカメラに収め、写真集を出版した。
アフガニスタンで幼い時に結婚させられた少女たちの夫婦生活について尋ねると、多くの場合、夫は妻が成熟するまで待つとの答えが返ってきた。しかし女性たちはこっそりと、実際には未成熟な妻が相手をさせられていると耳打ちしたという。
イエメンでは6歳の時に軍人の夫と結婚させられた少女を撮影した。結婚式の当日まで自分が結婚することは知らされず、結婚してしばらくの間は「夫の姿を見るたびに身を隠した。顔を会わせるのが嫌でたまらなかった」という。
シンクレア氏は「子どもを結婚させる悪しき伝統はこうした一部の文化に深く刻み込まれていて、家族も子どもを守ってくれない」と語る。
イスラム教国以外でも、エチオピアのキリスト教の集落では14歳の少女がラバに乗せられ、逃げ帰る道が分からないようにと顔を隠されて連れて行かれる光景を取材した。
インドやネパールではヒンドゥー教の5歳の少女と姉2人の合同結婚式が行われていた。少女だけでなく少年も幼いうちに結婚させられることがあるという。シンクレア氏は、自分の写真をきっかけとしてこの問題に脚光を当て、悪しき伝統を変えさせたいと話している。