シリア初の宇宙飛行士の軍人が反政府派に合流、トルコへ出国
(CNN) トルコのアナトリア通信は9日までに、シリア内戦に関連して同国初の男性の宇宙飛行士であるムハンマド・アフマド・ファリス氏が最近、トルコに越境しシリアの反体制派に加わったと報じた。
シリア北部の中心都市アレッポでシリア軍の離脱兵で組織する反体制派「自由シリア軍」の司令官と会った後、トルコへ向かったという。
同通信は、ファリス氏は自由シリア軍の司令官に「支援する用意がある。自由シリア軍と常に一緒にいる」と語ったと伝えた。
アナトリア通信によると、ファリス氏はシリア空軍の現役軍人。旧ソ連が1987年に打ち上げた乗員3人の宇宙船に乗り込み、シリア初の宇宙飛行士となっていた。
シリアでは最近、リヤド・ヒジャブ首相がアサド政権から離反し中東カタールへ出国したとされる。また、情報機関幹部もヨルダンへ逃れていた。
アサド政権を見限るシリアの軍や政府高官が増えていることについて、米国務省のベントレル報道官は6日、記者団に「アサド政権にほころびが出始め統治能力を失いつつあることを示唆している」と指摘。シリア軍の他の高官らに対し政権の残忍な行動を拒否して離反勢力に加わり、平和的かつ民主的なシリアを築く新たな道づくりへの助力を促した。
ファリス氏の離脱について米政府高官は、シリア社会の重要な人物となっており、アサド政権を見捨てたことは象徴的な意味を持つと述べた。