仏当局、アラファト氏毒殺疑惑の捜査を開始 遺体掘り起こしへ
パリ(CNN) 2004年にパリの軍病院で死去したパレスチナ自治政府のアラファト議長(当時)の「毒殺疑惑」について、フランス当局が殺人事件として捜査を開始した。検察当局者が28日、明らかにした。
アラファト氏の死をめぐっては、スイス・ローザンヌの研究所が遺品から高濃度の放射性物質ポロニウムを検出したことを受け、後継者のアッバス議長が遺体の掘り起こしを承認した。アラファト氏の妻スーハさんが毒殺説を主張し、パリ郊外ナンテールの裁判所に刑事告訴していた。
パレスチナ解放機構(PLO)のアシュラウィ幹部は「アラファト氏は自然死ではなく、法医学的な刑事捜査が必要だと確信している。犯人は罪に問われるべきだ」と、捜査を歓迎する姿勢を示した。パレスチナ側の準備態勢は整っているが、遺体の掘り起こしがいつになるかは不明。スイスの医学専門家がヨルダン川西岸ラマラの墓からサンプルを採取するという。
アラファト氏は脳出血で昏睡(こんすい)状態に陥り、75歳で死去した。パレスチナ当局は当時、血液と消化器の疾患があるが白血病ではないと発表していた。これに対して毒殺説が浮上したものの、自治政府のシャース外相らが強く否定していた。