イラク、イランによるアサド政権支援の領空通過を黙認か 米議員がイラク首脳と会談
(CNN) シリアのアサド政権に武器を供給するイランの航空機が領空を通過するのをイラク政府が認めたと伝えられている問題で、米上院の複数の議員が6日までにイラクを訪問し、政府首脳と会談したことがわかった。
イラク政府は領空通過を否定している。政府の報道官は6日、「イラクはいかなる国に対しても、自国の領土や領空を通ってシリアの対立する各陣営に武器や兵士を供給するのを認めるつもりはない」と述べた。
一方で米国務省の報道官は5日、「イランがアサド政権支援のために、隠れてできることなどほとんどない」と指摘した上で、「私たちはイラク側に対し、いくつかの懸念を表明した」と明らかにした。
同報道官は、イランがイラク領空を通ってシリアに武器を供給している点について米政府は確信があるのかとの質問に対して、イラク側に問題を指摘したことは認めたものの、それ以上のコメントは避けた。
同じころ、イラクを訪問した米上院のマケイン議員、リーバーマン議員らは、イラクのマリキ首相やジバリ外相と会談した。イラク政府は会談の詳細について公表していないが、リーバーマン議員は短文投稿サイト「ツイッター」上で、米政府はシリア情勢が悪化する中で「真の戦略的パートナーシップ」をイラク政府との間で築くべきだと述べるとともに、シリアに飛行禁止区域を設定すべきだと呼びかけた。
イスラム教シーア派が国民の多数を占めるイランは、シーア派の分派とされるアラウィー派が主流のアサド政権と緊密な関係にある。