リビアでも米領事館襲撃、職員1人死亡 「預言者冒とく」の映画に抗議
カイロ(CNN) イスラム教の預言者ムハンマドを冒とくしたとされる映画をめぐり、エジプト・カイロの米大使館に続いてリビア東部ベンガジの米領事館が襲撃された。クリントン米国務長官は11日深夜、この襲撃で国務省職員1人が死亡したことを明らかにした。
ベンガジの目撃者らによると、イスラム過激派アンサル・アルシャリアのメンバーらが領事館前で抗議行動を展開し、治安部隊と衝突した。
クリントン長官は声明で、米国の外交機関に対する攻撃を強く非難し、政府として世界各地の米外交官や国民を守るための措置を取ると述べた。
カイロとベンガジの襲撃はいずれも、米同時多発テロからちょうど11年を迎えた日に起きた。2件が互いに関連しているかどうかは明らかでない。
問題の映画は、一部の場面がインターネットの動画共有サイトユーチューブなどで流れた。断片的な映像から、ムハンマドを子どもに性的いたずらをする人物、女性関係が派手な人物、さらには残酷な殺人者として描いていることが分かる。製作者の身元や立場は不明だ。
クリントン長官は「他人を宗教を意図的に侮辱しようとする動きは遺憾だ」として宗教的寛容を呼び掛ける一方、「いかなる理由もこのような暴力行為を正当化することはできない」との立場を示した。