メキシコの麻薬組織のリーダーを逮捕
(CNN) 「麻薬戦争」と呼ばれる治安部隊と麻薬組織の武力衝突や麻薬組織間の抗争が続くメキシコで13日までに、麻薬組織「ガルフ・カルテル」のリーダーが逮捕された。
逮捕されたのは、ホルヘ・エドゥアルド・コスティジャ・サンチェス容疑者。メキシコ海軍が13日に明らかにしたところでは、北東部タマウリパス州タンピコで、武装した男たちが乗った車が住宅に入っていくのを海兵隊が追跡。コスティジャ容疑者は抵抗することなく逮捕されたという。
ガルフ・カルテルはメキシコで第3位の勢力を持つ犯罪組織。コスティジャ容疑者の逮捕は組織にとって大きな打撃になると専門家は言う。
コスティジャ容疑者は米国で麻薬密売や捜査官を脅迫した罪で起訴されており、米政府は逮捕につながる情報に最高500万ドルの報奨金を出していた。メキシコでも、コスティジャ容疑者は麻薬密売関連の最重要手配犯37人に含まれており、200万ドルを超える報奨金がかけられていた。
メキシコ当局によれば、コスティジャ容疑者はガルフの前リーダーのオシエル・カルデナス容疑者が逮捕された後、その親族との対立を経て組織のトップに立った。その間にガルフはメキシコ北東部における麻薬密売ルートを支配。その際に組織の手足となって動いたのがセタスという実働部隊だった。だがセタスはその後、ガルフから独立。両者の間では縄張り争いが続いていた。
専門家によれば、メキシコでは組織のボスが殺害されたり逮捕されたりしたあとには抗争事件が増加する例が多い。今後もガルフやセタスの内部分裂が、さらなる抗争や合従連衡へとつながる可能性も指摘されている。