反イスラム映画の製作者を任意聴取 「非常に協力的」と米当局
ロサンゼルス(CNN) イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱したとされる映画をきっかけに反米デモが世界各地へ広がっている問題で、米当局は15日、映画を製作した米カリフォルニア州在住の男性から任意で事情聴取を行った。ロサンゼルス郡保安官事務所の当局者によると、男性は非常に協力的な態度だったという。
製作者とされるナクーラ・バスリー・ナクーラ氏は2010年に銀行詐欺で有罪となり、5年間の保護観察処分を言い渡されていた。期間中、当局の承認を得ずにインターネットにアクセスすることは禁じられている。同当局者によれば、ナクーラ氏は聴取後も拘束されずに保安官事務所を出た。
ただ、連邦裁判所事務局の報道官は14日、同氏の保護観察が見直されていると述べた。見直しの理由や期間は明らかでない。
問題の映画は反イスラム団体の援助を受けて製作された低予算の作品。7月に動画共有サイト「ユーチューブ」で予告編が流れたが、米国内では話題にならなかった。エジプトのテレビ局が最近、その一部を放映したのをきっかけに、激しい抗議デモがエジプトからイエメン、チュニジア、モロッコ、スーダン、イラン、イラク、イスラエル、パレスチナ自治区へ広がり、リビアでは米大使ら4人の米国人が死亡した。
ナクーラ氏はロサンゼルス南郊セリトスの自宅に身を潜めていたが、先週、身辺保護を求めて地元警察に接触したという。自宅から任意聴取に向かう同氏は、コートや帽子で全身を覆っていた。