英王子を一時隔離、基地襲撃の直後に アフガニスタン
(CNN) 英国のヘンリー王子が着任したアフガニスタン南部ヘルマンド州の基地で14日夜起きた武装勢力の襲撃で、英軍筋は20日までに武装勢力が基地警備のフェンスに穴を開け侵入した可能性があるとの見方を示した。
穴は事件後に見付かったもので、武装勢力は簡易な仕掛けの爆発物を手にし、駐機場にあった北大西洋条約機構(NATO)軍の航空機の爆破を謀ったという。
同筋によると、襲撃が起きた際、王子は着任した英軍バスティオン基地から約2.4キロ離れた地点にいた。武装勢力との応戦に出動しなかった他の兵士と共に即座に隔離措置を受けたという。
英国メディアは、王子は戦闘場面から数百ヤード(1ヤードは約0.91メートル)の場所にいたと報じたが、英国防省は全面否定した。アフガンで治安維持に当たるNATO主導の国際治安支援部隊(ISAF)当局者は、襲撃で王子が危険にさらされる事態はなかったと主張していた。王子は今月初旬、攻撃型ヘリコプター「アパッチ」の操縦士として赴任していた。
基地を襲った武装勢力は約15人で米陸軍の制服を着込み、3班に分かれて基地外側の警備ラインを突破し、AV8Bハリアー戦闘機の6機を破壊、他の2機を損壊していた。6カ所にある格納庫と給油施設も損害を受けた。
交戦で米海兵隊の2人と武装勢力の14人が死亡し、1人が負傷して拘束された。ISAFの軍人8人と民間の契約請負業者の1人も負傷していた。
アフガンの反政府武装勢力タリバーンが、イスラム教の預言者ムハンマドをやゆしたとされる米国映画への報復攻撃と襲撃を認めていた。タリバーンは王子のアフガン従軍が判明した後、あらゆる手段を講じて殺害すると宣言していた。