英BBCが謝罪、記者が女王との私的な会話もらす

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エリザベス女王

エリザベス女王

ロンドン(CNN) 英国で収監中のイスラム過激派指導者アブハムザ・マスリ受刑者が米国へ引き渡される見通しとなったとの報道を受け、英BBC放送の記者がラジオ番組で、エリザベス女王がかつて私的な会話の中で同受刑者について「憤慨」したとする内容を明かした。王室メンバーの私的な発言は内密にするとの慣例に反したことから、BBCは26日までに記者本人とともに謝罪した。

BBCのフランク・ガードナー記者はラジオ番組で、エリザベス女王が同受刑者について話すのを聞いたことがあると発言。「女王は当時、この男はなぜ逮捕されないのか、何かの法を侵しているはずだと憤慨していた。結果的にはその通り、殺人教唆と扇動の罪で禁錮7年が言い渡された」と語った。

驚いた司会者が「貴重な情報だ」と返すと、同記者はさらに「女王から聞いた話だ」「女王は当時の内相に、この男は法を侵しているはずなのに逮捕されないのはなぜか、と尋ねたそうだ」と続けた。

女王が公の場で自身の意見を述べることはほとんどなく、政府関係者らとの私的なやり取りが明かされるのは極めて異例のケース。宮殿の行事で女王と面会する者は、会話の内容を口外しないことが了解事項とされている。

BBCはウェブサイトで、ガードナー記者の発言について「女王との私的な会話を口外すべきではなかった」「まったく不適切だった」として遺憾の意を表明。同記者本人も「深く反省し、王室に謝罪した」という。

王室の報道官はCNNの問い合わせに対し、「私的な会話についてはいっさいコメントしない」と返答するにとどまっている。

同受刑者はロンドン市内のモスク(イスラム礼拝所)での説教で宗教対立をあおったなどとして実刑を言い渡され、服役中。同時に、米国でテロに関連した11件の罪に問われている。欧州人権裁判所は24日、同受刑者の米国への引き渡しを認める判断を下した。

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