シリア政府軍、反体制派の拠点制圧 ブルドーザーで住宅破壊
(CNN) 政府軍と反体制派の衝突が激化しているシリア西部の都市ハマで、政府軍が数千人の住民を自宅から追い出し、民家を根こそぎ破壊しているという。複数の住民や目撃者が証言した。ハマは前政権時代にも政府軍によって反政府活動が鎮圧され、数万人の犠牲者が出たとされる歴史を持つ。
ハマは反政府デモが激化した昨年以来、反体制派の拠点となっており、今回民家の破壊が伝えられた地区は、アサド政権に反対する住民や活動家が集まる場になっていたという。
治安部隊は6月に同地区に侵攻して完全制圧し、戦車やブルドーザーを投入して民家の破壊に乗り出したとされる。同地区を訪れたというハマの住民は2日までに、「これまでに建物120棟が破壊された」と証言した。
別の住民は「治安部隊は同地区の複数カ所に対する砲撃を開始した」「貧困層の居住地域も無差別に標的とした。明らかに住民が住めなくすることを狙っていた」と話す。
こうした住民の証言は、過去2週間の間に撮影したとされる数本のアマチュアビデオでも裏付けられている。ビデオには、治安部隊の監視の下で、ブルドーザーが住宅地の一帯を根こそぎにする様子が映っていた。