パキスタンの女子学生2人、タリバーンに酸をかけられ重傷
イスラマバード(CNN) パキスタン北西部の部族地域パラチナルで学生らを乗せたワゴン車が武装グループに襲われ、女子学生2人が顔に酸をかけられて重傷を負ったことが4日までに分かった。同国のイスラム武装勢力「パキスタン・タリバーン運動(TTP)」が犯行を認めている。
地元当局者によると、車にはコハート大学の男女学生15人が乗っていた。武装グループが車を止め、学生らに酸を投げたうえで発砲した。担当医によると、女子学生2人は一命をとりとめたものの、顔に重度のやけどを負った。さらに男子1人がやけどを負い、別の男子1人が撃たれて負傷した。
同乗していた女子学生らは匿名を条件としてCNNの取材に応じ、「全員が修士課程の大学院生で、大学で試験を受けた帰りだった」「学校に戻るのが怖い」と語った。
TTPは一帯に配布した小冊子の中で犯行を認め、女子は学校へ行くべきでないと警告した。TTPの地元リーダーはCNNの取材に対し、「この地域の女子が欧米の教育を受けることは絶対に許さない」「大学へ行こうとする女子を見つけたら同じように処分し、人前に顔を見せられないようにする」と述べた。
TTPは先月、ブログで女子教育の必要性などを主張していたマララ・ユスフザイさん(15)が銃撃を受けた事件でも犯行を認め、国際社会から非難を浴びている。
同国北東部のカシミール地方では最近、15歳の少女が両親に男性との交際をとがめられ、酸をかけられて死亡する事件があった。両親は警察に逮捕された。