ネパールで「人食いヒョウ」の襲撃相次ぐ 子どもら15人が犠牲に
カトマンズ(CNN) ネパール西部のインド国境付近で最近、人食いヒョウによるとみられる襲撃が相次いでいる。過去1年3カ月の間に子どもら15人が死亡した。
今月3日には、首都カトマンズから西へ約600キロ離れたバイタディ地区の森で、行方不明となっていた4歳の男児の頭部が発見された。ヒョウには、遺体を森の中へ運んで食べる習性があるという。
死者15人は全員、森に隣接する村の住民で、10歳未満の子どもが3分の2を占める。家畜のえさを探しに森へ入った29歳の女性1人も含まれるが、成人男性の死者は報告されていない。
地元警察責任者は、これまでの襲撃はすべて人食いヒョウ1~2匹の仕業との見方を示す。国境を越えたインド北部でも、同じヒョウによるとみられる襲撃で死者が出ているという。
専門家によると、ヒョウは通常、野生動物をえさにしているが、塩分濃度が高いとされる人間の血液の味を覚えて「人食い化」することがある。ただ、同じ地域に3匹以上の人食いヒョウが共存するケースは、ほとんどみられないという。
地元当局は、問題のヒョウを捕獲または殺した者に2万5000インドルピー(約3万7500円)の賞金を支払うと発表。野生動物を殺すのは基本的に違法だが、当局は特別に許可を出した。さらに住民にはひとりで森に入らないよう警告し、武装警官を配置するなど、対策に乗り出している。