犯罪と戦った前女性市長殺害、2度の暗殺未遂も メキシコ
(CNN) 麻薬絡みの凶悪犯罪が絶えないメキシコ中西部ティキチェオ市のマリア・サントス・ゴロスティエタ前市長が、何者かに撲殺された遺体で見つかった。36歳だった。同氏は現役時代にも2度の暗殺未遂に遭遇し、自身は一命を取りとめたものの、前夫を殺害されていた。
ゴロスティエタ氏は2008年に32歳の若さでティキチェオ市長に就任。09年に同氏を狙った暗殺未遂で、当時の夫のホセ・サンチェス氏が死亡した。
事件後ゴロスティエタ氏は、「神に許される限り、私は何度でも立ち上がり、人々のため、特に助けを必要としている人たちのために戦い、計画やプロジェクトを遂行し、行動する」と宣言。2度目の暗殺未遂では銃弾を浴びて重傷を負ったが、報道陣の前でシャツを脱いで傷跡を見せるなど、決然とした姿勢は揺るがなかった。
11年には任期満了で市長を引退し、再婚。しかし今月に入り、娘を車で学校に送っていく途中で連れ去られ、先週になって両手を縛られた遺体が見つかった。警察によると、後頭部に殴られた跡があったという。
ティキチェオ市は麻薬密輸組織同士の抗争が頻発しているほか、小規模の犯罪組織も暗躍している。ゴロスティエタ氏は、そうした中で女性が市長になることの重要性を説き、「最も大切なのは恐れないこと」と訴えていた。
捜査当局は、ゴロスティエタ氏の退任後11カ月の行動について調べを進め、事件に巻き込まれた可能性のほか、政治的動機や個人的動機があった可能性も含めて捜査している。