ローマ法王がクリスマスメッセージ、中東や中国に平和を
(CNN) ローマ法王ベネディクト16世は25日、バチカンのサンピエトロ広場で約5万人の聴衆を前に恒例のクリスマスメッセージを読み上げ、シリアやナイジェリアなど、紛争が続く地域に平和が訪れることを願うと呼びかけた。
ベネディクト16世はこの中で、「世界には希望がある。最も困難な時、最も困難な状況の中にあっても、私たちはその希望を信じることができる」と述べ、4万人以上が犠牲になったシリアの内戦に触れて「流血を終わらせ、難民と避難民の救済が容易になり、紛争の政治的解決に向けた対話が行われることを求める」と訴えた。
イスラエルとパレスチナの衝突については、「救い主が生まれた地に平和がもたらされますように。長年の紛争と分断を終わらせ、交渉の道を歩み始める勇気がイスラエル人とパレスチナ人に与えられますように」と祈った。
カトリック教会に対する取り締まりを強めている中国に対しては、信教の自由を尊重し、世界全体のために友好的な社会を築くよう、新指導部に促した。
紛争が続くアフリカのマリとナイジェリアについては、「テロリズムの残虐行為によって、特にキリスト教徒の間で犠牲者が増え続けている」と懸念を表明。エジプトには「公正さと、すべての人の自由と尊厳の尊重を基盤とした社会」を築くよう呼びかけた。
法王は「すべての地に寛容と真理、公正と平和を。クリスマスおめでとう」と述べ、最後に65カ国語であいさつを行った。