マリが全土に非常事態宣言 フランスは軍を派遣
(CNN) 西アフリカ・マリのトラオレ暫定大統領は11日、同国北部を支配するイスラム武装勢力の脅威に対し、テレビを通して非常事態宣言を出した。これに先立ち、旧宗主国のフランスは同国への軍派遣を発表した。
フランスのオランド大統領は、マリが北部で「テロリスト」の攻撃にさらされ、国家の存続と国民や同国に滞在する仏国民らの安全が脅かされていると述べた。軍事作戦は「必要な限り続ける」としている。同時に、国連との協議に基づく国際法の枠内での介入だと強調した。
部隊の規模は公表されていないが、ファビウス仏外相によると作戦には空爆も含まれる。トラオレ大統領も非常事態宣言の発令に際し、フランス軍から空爆を含む支援を受けることを認めた。
フランスはこれまでアフリカ介入を縮小する方針を示し、マリへの直接介入も否定してきた。今回部隊の派遣に踏み切ったのは、マリ情勢に対する重大な懸念の表れとみられる。
マリでは昨年3月のクーデター後、国際テロ組織アルカイダ系のイスラム武装勢力が北部を制圧。イスラム法による厳格な支配体制を敷き、国際社会から批判を浴びている。国連安全保障理事会は昨年12月、マリの治安回復に向け、周辺諸国主導の支援部隊による1年間の作戦を認める決定を下した。