アルジェリアの武装勢力最高幹部を殺害 人質事件で犯行声明
(CNN) チャド軍は2日、1月のアルジェリア人質事件で犯行声明を出したイスラム武装勢力「覆面旅団」のモフタル・ベルモフタル最高幹部を殺害したと発表した。
覆面旅団は、国際テロ組織アルカイダ系勢力「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)」から分派した組織。チャド軍の報道官が国営テレビで発表したところによると、ベルモフタル最高幹部はマリ北西部での戦闘で死亡した。
同最高幹部は、日本人を含め40人近くが死亡したアルジェリアの天然ガス関連施設での人質事件について、フランス軍によるマリ派兵への報復だとする犯行声明を出していた。ただ、アルジェリアのセラル首相や地元専門家らは、犯行が仏軍派遣の前から数カ月かけて計画されていたとの見方を示す。
ベルモフタル最高幹部は1972年生まれ。アルジェリア南部で育ち、91年にアフガニスタンの反共闘争に参加した。戦闘で片目を失明して帰国し、AQIM前身の反政府組織に加わった。AQIM内で指導者やライバルのアブゼイド司令官と対立、近年は独立した活動が目立っていた。資金作りのため麻薬や武器の密輸などにかかわっていたとされる。
アブゼイド司令官は先月末、マリでの空爆で死亡したとみられる。米当局者は1日、フランス軍とチャド軍が同司令官を殺害したと言明していた。