漂着する東日本大震災のがれき、魚や鳥の胃袋にも 米ハワイ
ハワイ島(CNN) 2011年の東日本大震災の巨大津波で流されたがれきが太平洋を渡り、ハワイ島の海岸に漂着している。地元の研究者らによると、魚や鳥の胃袋からも大量のプラスチック類が見つかっている。
静かな岩場が続くハワイ島南端のカミロビーチ。よく見ると、砂に交じってボトルのふたや牛乳ケースの破片、歯ブラシのかけらなど、色とりどりのプラスチック片が点在する。
地元の環境保護団体、ハワイ野生生物基金によれば、アジア方面から米本土へ向かって流されるプラスチック片などの漂着は何年も前から問題になっていたが、日本の巨大津波でさらに悪化した。日本政府によると、津波で流されたがれきの量は150万トンに上る。
同基金で漂着物の問題に取り組むメーガン・ラムソン氏が示すビールケースの破片やウイスキーのボトルには、日本語の文字が書かれていた。昨年秋以降、日本の冷蔵庫や冷凍庫、ブイ、さらには漁船などが流れ着いているという。
ラムソン氏は、動物がかんだ跡の残るペットボトルを見て「えさと間違えているのでは」と心配する。
その事実は、米海洋大気局(NOAA)の生物学者、レズリー・ジャンツ氏の研究室で確認された。同氏が取材陣の前で解剖してみせたミズウオの胃袋からは、約30センチ四方のポリ袋の切れ端が出てきた。