ムシャラフ前大統領、「米無人機による攻撃認めた」 パキスタン
イスラマバード(CNN) パキスタンのムシャラフ前大統領は12日までに、CNNの取材に対し、前政権が米国の無人機による攻撃を秘密裏に認めたことがあったと語った。パキスタン政府はこれまで一貫して関与を否定してきたが、要職経験者が初めて関与を認めた。
インタビューは今週、イスラマバードで行われた。ムシャラフ氏によれば、パキスタン政府が攻撃を認めたのは「ほんの数回」で、「標的が非常に孤立した場所にいて、民間人が巻き込まれて被害に遭う可能性がない」場合に限られたという。
パキスタン政府関係者はこれまで、無人機による攻撃を許可したことはないと米国を非難し、パキスタン側の関与を否定してきた。
だが両国間の秘密取引を疑う声はあった。ウィキリークスによって公開された2008年の駐パキスタン米大使からの外交公電には、当時のギラニ首相らと無人機攻撃について話し合ったという記載がある。
米無人機による攻撃はムシャラフ政権時代の04年に始まった。ムシャラフ氏はパキスタン側が無人機攻撃を認める条件は、軍や情報関係者を交えた話し合いを行ったうえで「パキスタン軍に行動する時間がない」場合だけだと述べた。
こうした事態は「めったになかった」が、時として「行動を遅らせるわけにはいかない」場合もあったという。「状況は非常に流動的で、危険な敵がいて、山地など(軍も)近寄れない地域があった」とムシャラフ氏は述べた。
ムシャラフ氏はこうした無人機攻撃で死亡した例として、国際テロ組織アルカイダの関係者をかくまったとされる部族長の名を挙げた。この人物についてパキスタンの情報筋は04年当時、パキスタン軍のミサイル攻撃で死亡したと述べていた。