世界の貧困層は減少? 実は中国が・・・
(CNN) 世界中で多くの国が経済成長を実現し豊かになっているため、貧困は減少していると思いがちだ。
確かに、世界銀行によると、1981年には1日1.25ドル(現在のレートで約120円)未満で生活する貧困人口が世界の人口の半数近くに上っていたが、今日ではその数は世界の人口の5分の1未満となっている。貧困層の人数は、20億人から12億人へと40%も減少したのだ。
しかし、良く調べて見ると、貧困人口の減少は手放しでは喜べないことが分かる。簡単に言うと、世界の貧困人口減少のほとんどは、たった1つの国によるものなのだ。そう、中国だ。
中国における貧困人口の減少を差し引いてみると、全く違う数字が見えてくる。
1981年、世界の貧困人口に中国が占める割合は43%。その他では、29%を占めていた南アジア諸国と、11%を占めていたサハラ以南のアフリカ諸国で貧困人口が多かった。
ただし、その10年程前から世界の貧困人口に占める中国の割合は低下し始めていた。この傾向は2000年代まで続き、2010年にはその割合は13%にまで低下した。一方で、貧困人口に占める南アジア諸国の割合は42%に急上昇し、サハラ以南のアフリカは約3倍の34%にもなった。