スウェーデン暴動収束せず、5夜連続 29人逮捕 警官増強
(CNN) 北欧スウェーデンの首都ストックホルムで今月19日から起きている若者らによる暴動は23日夜にも収束せず、地元警察によるとこれまでの逮捕者は29人に達した。逮捕者は今後、さらに増える見通し。
首都郊外のヒュースビー地区などで起きている暴動は5夜連続の発生で、警察は警官を増員して騒乱の収拾を急いでいる。地元警察の報道担当者は、暴力行為は減っているものの事態は沈静化していないと述べた。
23日には2カ所の学校と警察署が放火の被害を受けた。車両約30台が燃やされ、近くの店舗に引火もした。警官や消防士が再び投石などで襲われたものの、重傷者はいないとしている。
ストックホルムでは週末にサッカー試合が予定され、警察は暴動の波及を懸念、警官を増員して関連地区などで警備を強化する方針。
今回の暴動のきっかけは、ヒュースビー地区で今月、なたを手にした69歳男性が警官に射殺された事件とみられる。この事件後、同地区では緊張が高まっていた。ただ、警察は暴動の主因は不明としている。
ヒュースビー地区には移民の住民が多く、失業率や犯罪発生率も高いという。
暴動事件を受けラインフェルト同国首相は今週、騒乱の参加者には立ち向かうとの立場を表明。暴力行使が社会を動かすと信じる若年層を容認しないことを示すなどと述べた。