トルコ各地で反政府デモ続く 1人死亡、負傷者3000人超
イスタンブール(CNN) トルコの最大都市イスタンブールから首都アンカラなど各地へ波及した反政府デモと警官隊の衝突は3日も続き、同国医師会によると、これまでに1人が死亡し、3000人を超える負傷者が出ている。
医師会によると、負傷者はイスタンブールを中心に前日からの2日間で少なくとも3195人に上り、このうち26人が重傷または重体。またデモ参加者1人が死亡した。
デモのきっかけとなったのは、イスタンブール中心部にある公園の再開発計画に対する抗議運動だった。催涙ガスや放水銃で鎮圧を図る政府に対し、幅広い層から反発の声が上がっている。ある参加者は「デモ隊に対して前代未聞の暴力が行使されている」と主張した。
現地のCNN取材班からも、アンカラでカメラマンが警官に蹴られたり、イスタンブールで暴力を受けるデモ参加者を目撃したりしたとの報告が入っている。
デモは次第に反政府運動の色合いを濃くしているとみられ、「アラブの春」に続く「トルコの春」の到来かとの見方もささやかれ始めた。これに対してエルドアン首相は3日、デモを「過激分子の仕業」「選挙で勝てなかった敵対勢力の作戦」と批判したうえで、「賢い市民たちはこれに気付いて反発するだろう」と述べた。一方でギュル大統領は「善意のメッセージは届いた」とデモ隊に一定の理解を示し、「平和的な抗議活動は民主主義の一部だ」と語った。