米ロ首脳会談、シリア問題で溝埋まらず
(CNN) 米国のオバマ大統領とロシアのプーチン大統領は17日、主要8カ国(G8)首脳会議が開催されている英国・北アイルランドで会談し、内戦が続くシリアへの対応などを協議した。プーチン大統領は会談後、シリア問題を巡る両国間の溝が埋まらなかったことを認めた。
プーチン大統領は、両首脳が「シリア各勢力に交渉を促すこと」で一致したと述べたが、交渉の具体的な参加者や時期、目標には言及しなかった。
米政府は先週、シリアのアサド政権が反体制派に対して化学兵器を使用した証拠があるとして、反体制派への支援強化を表明した。G8参加国のうち、ロシアを除く7カ国はこの方針を支持している。
オバマ大統領はプーチン大統領との会談でも、シリアでの化学兵器の使用や拡散を阻止することが重要だと強調した。しかし、会談後のプーチン大統領の談話に化学兵器問題への言及はなかった。
両首脳は昨年メキシコで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議以来、約1年ぶりに会談した。これに先立ち、ローズ米大統領副補佐官(戦略広報担当)は「シリアでアサド政権が復権するというシナリオは考えられない。アサド大統領に退陣を迫る動きに加わることが、ロシアの利益につながる」と述べ、プーチン大統領に歩み寄りを求めていた。