女性の3人に1人が性的暴行などの被害 WHO

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(CNN) 世界保健機関(WHO)は21日までに、世界の女性の3人に1人が性的、身体的暴行を振るわれた経験を持つとする報告書をまとめた。夫や恋人などのパートナーからの暴力が最も多いという。

報告書では、世界の女性の35.6%がこうした暴力を経験していると推計。WHOのマーガレット・チャン事務局長は「世界ではびこる健康問題」と形容した。

地域別にみると、パートナーから暴力を受けている女性の割合は東南アジア地域が37.7%と最も高く、次いで地中海東岸が37%、アフリカが36.6%、北米と南米が29.8%だった。一方で、所得の高い国(オーストラリア、日本、米国など)は23.2%と低い傾向にあった。

性的、身体的暴行を受けた女性は、エイズウイルス(HIV)感染や人工妊娠中絶、うつ、アルコール関連の障害、妊娠合併症などの割合も高くなるという。

女性が殺害されたケースのうち約38%は、パートナーが加害者となっていた。これに対して男性の場合、パートナーによる殺害は6%にとどまっている。

女性に対する暴力は、個別の事例として扱うのではなく、「女性の権利を踏みにじる行動パターン」として対処すべきだと報告書は指摘している。

報告書は各国の人口統計などをもとにまとめられた。ただ、女性が被害を届け出られないケースも多いことから正確な実態はつかめないのが現状だ。また、中東やサハラ砂漠以南のアフリカ、東アジアや中央アジアでは情報が欠如している国や地域も多かった。

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