ブラジル大統領、政治改革の国民投票約束 反政府デモ
(CNN) 公共交通の運賃値上げ、汚職、放漫な教育や医療行政などに抗議する反政府デモが続くブラジルのルセフ大統領は27日までに、政治改革を巡る国民投票を実施することを約束した。
州知事や市長との会談後に打ち出した5項目にわたる社会改革案の一環。大統領は全土の都市で過去数週間続くデモに触れ、国民は変化の実現をより迅速に願っているとのメッセージを伝えていると指摘。
その上で、今後重視する政策課題に言及し、インフレ抑制と経済的な安定、病院などへの財源を含む医療行政への投資拡大、220億米ドル(約2兆1560億円)相当を投じる公共交通施設の改善などを列挙。また、原油生産収入の全額を公的教育の充実に振り向けることを議会に提案するとも述べた。
各都市で数万人が参加している今回の反政府デモは同国では過去数十年で最大規模になっている。大統領が今回示した政策課題は、デモ隊の要求事項とも重なる。デモ拡大のきっかけは公共交通運賃の値上げで、多くの州がその後撤回したもののデモ収束にはつながっていなかった。
ルセフ大統領は、抗議活動は言論の自由の一環として支持する立場を表明していたが、略奪や暴力などの発生には厳しく対処する考えも示していた。
大統領は24日、主要都市サンパウロのデモ隊指導者と初めて会談もしていた。