「質素な発明」で生活改善 インドで花開くフルーガル・イノベーション
(CNN) インド西部のグジャラート州を2001年に巨大な地震が襲った。2000人が命を失い、40万人が家を失い、数え切れない人たちが仕事を失った。
そんな中、1人の若い起業家が全てを失いながらも、立ち直るための革新的な方法を見つけ出した。マンスークバーイー・パラジャパティさんは、低価格の陶器製の冷蔵庫を設計した。これは電気を必要とせず、大規模な災害や停電といった出来事があっても稼働し続けることが可能だ。
パラジャパティさんの発明は、インドでブームとなりつつある「フルーガル・イノベーション」の代表例の1つだ。フルーガル・イノベーションとは、たいていは必要に迫られながら、問題に合わせて調整されたテクノロジーを活用して身近な課題を金をかけずに解決するための発明を指す。
技術革新の促進について活動している英慈善団体NESTAは昨年、インドにおけるフルーガル・イノベーションについての報告書を発表した。この報告書によれば、新薬の開発や携帯電話会社のコスト削減、末期患者のための緩和ケアなどにフルーガル・イノベーションが活用されているという。
フルーガル・イノベーションの最前線を行く人物の一人がアニル・グプタ教授だ。過去20年にわたってインド全土を旅し、農村地域の貧困層に良い影響を与える創造性を持った各地の発明家たちを調査している。