イラク宗派抗争などの死傷者、5年余で最悪 国連が懸念
(CNN) 国連イラク支援団(UNAMI)は3日までに、同国内での宗派抗争などが激化し、一般人や治安要員らの死傷者数は今年これまで、ここ5年余では最悪の水準に達したとの報告書を発表した。
爆弾テロ事件などに巻き込まれ死亡した一般住民は今年1月から現時点までの間で少なくとも4137人で、9865人以上が負傷。これに数百人規模の治安要員の死傷が加わる。
イスラム教シーア派、スンニ派間の宗派抗争に絡む爆弾や発砲事件はほぼ毎日のように発生している計算だという。
7月に首都バグダッド内で死亡した一般住民は計238人で、6月は258人。この2カ月間における首都内での負傷者は1411人。イラク全土では1818人が死亡した。
国連イラク支援団は政党指導者らに対し、相次ぐ抗争を終結させるよう再び呼び掛けた。2003年の米軍主導の軍事作戦で旧フセイン政権が崩壊し、占領統治に反発する武装勢力による泥沼の爆弾テロなどが相次いだ時代が再来しかねないと危惧(きぐ)している。
米軍は11年末、一定の治安改善を受け完全撤退していた。